弁護士コラム

2019.01.23

共有名義双方の承諾がなければ、不動産を売却できない?

夫婦それぞれが資金を出し合い、購入した場合は、その土地と建物は夫婦の「共有名義」にすることが一般的です。
例えば、3,000万円の住宅を夫が2,000万円、妻が1,000万円出資して住宅を購入した場合、住宅の持分割合を夫が2/3、妻が1/3と設定するケースが多いと思われます。

この場合の大きなメリットは2つあります。

1.多くのお金を借りることができる。
⇒夫婦の収入を合算することで、住宅ローンを借り入れるとき、より多くのお金を借り入れることができます。
2.税額控除を二重に受けられる。
⇒購入価格の一定割合を税額控除される「住宅ローン控除」「住宅売却の3,000万円の特別控除」を二重に受けることが可能です。

【住宅ローン控除とは】

住宅ローンを借り入れて家を購入する場合、購入者の金利の負担を軽減するための制度です。基本的に、「年末時点における住宅ローンの残高×1%」が10年間にわたり所得税から控除されます。
住宅ローン控除を受けられる要件として、住宅取得のために直接必要な資金であること、返済期間が10年以上であること等の条件があります。

【住宅売却の3,000万円特別控除とは】

家を売却したときには、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例です。不動産の売却価格が購入金額よりも高額になる場合、売却に伴い譲渡所得税が発生します。
マイホームの売却に譲渡所得税が発生すると分かれば、売却を断念するケースも発生します。そのため、国は居住用不動産(自宅改築中の間に仮住まいしている不動産は含まれません)に限り、3,000万円を課税譲渡所得から控除する施策を設けています。
しかし、共有名義にしたことが原因となり、離婚後、共有名義の不動産が大きな問題を引き起こすケースもあります。

「大きな問題って?!」

例えば、夫婦の一方が仕事を辞め収入がなくなれば、辞めた方は所得がなくなるため、所得税は発生しません。所得税が発生しない場合、住宅ローン控除を受ける余地がなくなるので、節税のために連帯債務にした恩恵が受けられなくなります。
妻が出産や育児のために仕事を辞めることがありますが、これは事前に予測されることが可能な「通常のデメリット」です。この通常のデメリットを超える問題が離婚で不動産を売却する場合です。

あまり知られていないのですが、共有不動産を売却するには、所有者全員の承諾が必要となります。つまり、夫婦共有名義の不動産は「夫」と「妻」両方の承諾がないと売却することができないのです。
離婚しようとしている夫婦両方の承諾を得ることは簡単なことではありません。夫は不動産を売却して得たお金を財産分与として分け合いたいが、妻は住み慣れた家での居住を継続したいと、意見が合わない場合や、どちらかの失踪などで連絡がとれず承諾を得ることができない場合などがあるからです。

また、夫の浮気が原因で離婚することになったが、妻が自宅での居住を継続している場合、妻は、売却益を分与することが合理的であると理解していても、浮気した夫への感情面から頑として売却に同意しないということもあります。
売却までの時間が長引けば、時間の経過と共に不動産価値も下がり、問題が解決するまでの間、住宅ローンは返済しつづけなければなりません。

夫と妻の両方から承諾を得ることは、簡単なようでなかなかうまくいかないのが現状です。

 

いかがでしたでしょうか。離婚後に共有不動産を売却する際、トラブルとなりやすいパターンをご紹介しました。

このようなトラブルでお困りの方、菰田総合法律事務所へぜひご相談ください。
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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

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